中学生の頃よく聴いていました、理解されなくても無敵だった
セミナーに参加してきました
こんにちは聖です。
先日、セミナーに参加してきました。
半蔵門線大手町駅の周りは、スーツの人でびっしり!ちょっと人酔いしてしまいました。
沢山の人が同じ格好をしているのを見るのが苦手です。(例えるなら蟻の行列をずっと見ているような。。)
そんな話は置いといて
こちらのセミナーに参加してきました。→
https://products.sint.co.jp/obpm/seminar/qcd-tokyo
「やっぱり基本のQCD向上に立ち戻ろう
~品質・テスト戦略、プロジェクト管理EVM、設計力向上~」
非常に濃い内容の講演会でした。
後半の方は主催のシステムインテグレータ様のソフト宣伝色も強かったです。しかし、押売りというわけではなく、そのソフトを作るに至った背景や開発を通して得られた物を伝承するような形になっておりました。
代表取締役社長の梅田さんが最後に仰っていた、「本当は弊社のこういったソフトを使って頂きたいのですが、今回のお話を参考に皆様のプロジェクト管理や管理用ソフトの開発に役立てて頂ければと思います。」という言葉はオープンソースな考え方で好感が持てました。
←実際は写真の三倍ほどの広さです。(許可を頂き、写真を撮りました。)プロジェクタスクリーンも二台使って、席はほぼ満席。早めに行って良かった~(^^;
セッション1「QCDを達成するための品質・テスト戦略」
それぞれの講演者のお話をまとめます。
1人目は、バルテス株式会社 リサーチ&コンサルティング部 石原 一宏氏。
バルテス(https://www.valtes.co.jp/)はソフトウェアのテストを主な事業内容としている会社様です。年間1200件以上のプロジェクトに携わっているそうです。
お話はテーマに沿って座学と簡単なワークショップ形式で行われました。
石原さん曰く「12時間話せる内容を1時間でやります」との事。
過言ではなく、実際に凝縮された内容になっておりました。自分はプロジェクトマネージャーに関する知識がほとんどないため、知らない専門用語と格闘しながら何とかついて行くレベルでした。(この業界の人はやたらと横文字を使いたがるなぁ。。)
講義の内容は勿論ここでは書ききれませんので、ワークショップの内容について少し触れます。
QCDの基本の考え方は、限られたリソース(Cost/コストとDelivery/納期)に対して工夫して品質/Qualityのレベルを高めることです。そのためには、まず品質目標として優先順位をつけなければなりません。
しかし、提案書や仕様書には、そんな優先順位が丁寧に書かれていることは少ないです。そこで、Never,Must,Wantの三つに着目し書き出していきます。
それぞれ、
Never→あってはならない
Must→出来なければならない
Want→あったらいいな
というものを書き出して行くのです。ソフトウェアに対する品質というのは結局のところ「顧客の要求」を満たすことであるため、上記の3カテゴリーに集約されていくということ。(この考え方は10年前と変わらない普遍的な概念なんだそう。)
さらにNever,Mustは「当たり前品質」、Wantは「魅力的品質」としてプライオリティも分化されます。
ワークショップで行った具体例を。
「ホテル予約サイト」における上記3カテゴリーにあてはまる項目を、書けるだけ書き出します。制限時間は5分。用意ドン!
当たり前品質 | 魅力的品質 | |
あってはならない Never |
出来なければならない Must |
あったらいいな Want |
・ダブルブッキング ・情報漏れ・セキュリティ面 |
・予約ができる ・空き室や料金体系が分かる ・決済機能 ・ホテル情報の表示 |
・過去の履歴や他のオススメの表示 ・レビューフォーム ・近隣の観光情報 |
大体、各項目3つずつは書けると良いとの事。普段のお客さんのご要望をヒアリングする時を思い出して、必死に捻りだしてもこんなもんでした。。意外と5分という時間は長くて、これ以上もう出てこないかな~って所まで考えました。
次は、同じテーブルの人同士で書き出した内容を簡単に発表します。
(意外とみんな書けてないのね・・・。)
最後に、石原さんが事前に用意してきた項目をズラリと表示。実際は全部で100項目ぐらいあって、とても書き写しきれなかったです。重要な所で言うと。
Never→システムダウンしない。
Must→予約の取り消しが出来る。
等々、当たり前のこと過ぎて忘れてる項目がいっぱい。システムダウンしないなんて、当然なんですが、言われてみれば大切なことですよね。
後は、「ホテルのDBのカテゴリ追加などが想定されている(Must)」など、管理側の目線の項目もありました。(もう色々ありすぎて、この部分だけで一つの記事が書けそうなんですが。)
で、、石原さんが、この簡単ワークショップで何が言いたかったかというと。
「5分で一人で考えて思い浮かばなかったものを、10分あれば思い浮かべましたか?」
ということ。会場でも、ほとんどの人が「自信が無い」と回答。人間は基本的にやりたいことしかやらない脳みそだそうで。なかなか顧客のニーズを察するのは難しい。それならば、このように個々の考えを統合していく作業は必然だよね?ましてやQCDを達成する為には、限られたリソースでこなさなければいけないんだよ?工夫しようね。
ということ、だそうです。
エンジニアって個人プレイになりがちですし。だからといって無駄な会議しても仕方ないですし。工夫しましょう。
セッション2「プロジェクト管理でEVMを組織に根付かせ、QCD強化へ」
2人目は、株式会社システムインテグレータ 取締役 鈴木 敏秀氏。
ここからは、システムインテグレータさんのソフトである「SI Object Browser PM」https://products.sint.co.jp/obpmに関して紹介と共にEVMの考え方についてです。
EVMの考え方は、進捗とコストを一緒に見ます。
実行予算の計画コスト(PV)に対して、出来高コスト(EV)や実績コスト(AC)を比べることにより、スケジュール差異(SV)とコスト差異(CV)を把握します。さらに、完了時のコスト(EAC)を予測し、完了までの当初予算(BAC)と比較することで、PJ全体を評価します。結果として、PJ遂行時の計画の修正や、次期PJ立案時の予算算出に役立てるというものです。
言葉だけだと難しいですよね。。
お手元に配られた資料にはグラフと文章がびっしり!しかも、白黒!(無料のセミナーなのでもちろん文句などありません!)
事前のメールの「三色ボールペンを持ってきてください」というフラグがここで回収されました。グラフにあるPV線、CV線、AC線に色を付けていき、視覚化します。すると、予算内のPJはAC線がPV線の下になっていたり、EV線がPV線の下にあると進捗が遅れていたりすることが、パッと見て分かるようになります。
エクセルでもこのぐらいなら簡単に作れそうです。
実際の所、弊社では個人で案件を回すことが多いのでコストや進捗の把握は目途がつけやすいため、こういったグラフを作ること自体手間なのですが。PJが大きくなった場合は、当然工数や予算も大きくなるため、CVが少しでも膨らめば大きな損失に成りえます。
たとえグラフを作らなくても、進捗とコストに着目して案件を進めていくことはQCDを高めることに繋がりますしね。
EVMの用語や考え方についてはネットで調べても色々ありますので、参考にしてみてください。http://e-words.jp/w/EVM.html
セッション3「設計力が成功のカギを握る!良い設計書を書くためのコツ」
最後は、株式会社システムインテグレータ 代表取締役社長 梅田 弘之氏。
社長さん直々のお話です。(どんな人だろう?)と、姿勢を正して待っていると。梅田さんがスーツよりも少しカジュアルな格好で登場。壇上に上がり、柔和な表情で「こういった講義に立つのは久しぶりなので、少し緊張しております(微笑)。」との事。
おかげでこちらも身構えることなく、お話を聞くことが出来ました。
ソフトウェア開発の設計について、システムインテグレータさんの「SI Object Browser Designer」https://products.sint.co.jp/obdzの紹介に沿って話は進みます。
設計支援ソフトといえば、多くの業界でCADが用いられています。しかし、ソフトウェア業界にはそれがない。理由はいくつかありますが、「設計作業に絞ったソフトウェア開発用のCADを作りたい。」という観点から、「SI Object Browser Designer」が作られたとの事です。
実際に、操作画面を見させていただきました。いわゆるソフトの統合開発ソフト(Visual Studioや私が良く使うDelphi等)のフォームやプロパティなど視覚的な部分は存在し、煩雑なコード部分は入力の必要が無いよう作られていました。
そこからモックアップ出力やCRUD図の作成。あとはモジュール同士の関連図、仕様変更時のバージョン管理など、確かに痒い所に手が届いている印象は受けました。
私の場合は少数での開発なので、設計書作成の工数はシンプルに済ませたいので、あまり必要無いのですが。セッション2と同じく、大規模プロジェクトなどで一元共有管理する際には、こういった設計部分の管理は大切だろうなと思いました。特に上流工程SEさんは重宝しそうなソフトだなと感じました。
(エクセル管理とかしてるSEさんとかだったら、多分このソフトで仕事は半減するかもな~。)とか考えていたら。梅田さん曰く、導入以前の10年前と現在を比べて、社員の平均残業時間が40時間→20時間。対して、社員1人当たりの売上高15.2百万円→23.8百万円に向上したそうです。
余談ですが、梅田社長は花が好きで、花の名前を覚えるゲームアプリを新人用研修題材として作ったそうです。
以上までが3名の方の講義でした。ありがとうございました。
総括
最後は質問会やトークセッションを行い、セミナーは終了しました。
セミナー後に、講師の方々と名刺交換できるチャンスもあったのですが、順番待ちで列が出来てしまったのと、久々の人混みに酔い潰れてしまい断念しました。
スタッフの方の許可を得て、ブログ用に会場の写真をいくつか撮らせて頂き、会場を後にしました。お疲れ様でした。
同じ業界の大手の環境や手法などを教わることが出来て、非常に勉強になる事が多かったです。今後もたまには、こういうセミナーに参加してみたいと思います。次は開発メーカー目線のお話なんかも聞いてみたいです。
おわりに
梅雨が長かったですね。いよいよ夏!
今年の夏フェスの目玉は、何といってもライジングサンでのナンバーガール復活でしょう。
小室サウンドや歌謡ロックが全盛期の中で、邦ロック97年組がバンドキッズ達に与えた影響は大きく、当時中学生だった自分も感銘を受けた一人です。
後はフジロックのレッチリパイパーズ(笑)。仲間内でも話題になっております。
それでは。
聖。